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《離婚して財産分与したら税金はどうなる?》

 協議離婚し、財産分与として現金と私の名義であるマンションを渡しました。

  私と元妻の課税関係はどうなりますか。

 

A 私…金銭で分与する場合には課税はされませんが、金銭以外の財産(不動産や株式等)

 分与する場合は所得税(譲渡所得)が発生することがあります。

  元妻…離婚により分与された財産は、例外を除き贈与税がかかることはありません。

 

 1.元妻…分与された(受取った)側は贈与税がかからない?

   離婚により分与された財産は、財産分与請求権に基づいて請求した自らの財産を受取

  ったと考えるため、贈与税はかかりません。ただし、婚姻期間が短いにもかかわらず、

  夫のすべての財産を妻に分与したりする等、離婚自体が贈与税や相続税を免れるために

  行われたと認められる場合は、分与された財産に贈与税がかかる可能性があります。

 

 2.私…分与した(渡した)側には所得税(譲渡所得)がかかる?

   離婚により分与された財産が土地家屋や株式など、譲渡所得の対象となる資産である

  場合には注意が必要です。分与した側は、その分与をした時の価額(時価)によりその

  資産を売却したものとみなされます。(実際には売っていなくとも、売ったと仮定して

  計算します。)

   売却時価から分与財産の取得費を差引いて売却損益の計算をし、プラスになれば所得

  税(譲渡所得)が課税されます。

 

 3.私…特例が使えれば、分与した(渡した)側も所得税(譲渡所得)がかからない?

   分与するのが居住用財産である場合、所定の要件を満たしている場合には「居住用財

  産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」を使える可能性があります。この特例

  が適用できれば、納税額が0円になる可能性が高くなります。注意が必要なのは、この

  規定は分与した家に住んでいたことが必要なので、離婚を前提として別居している場合

  には適用されません。また、所得税の確定申告をしないと適用されません。

 

 4.元妻…結婚して20年以上経っていれば節税できる?

   婚姻期間が20年以上の夫婦について、居住用土地家屋の分与が行われる場合、離婚前

  に贈与することで、贈与税の配偶者控除の特例の適用が受けられます。注意が必要なの

  は、贈与税の確定申告をしないと適用されません。

 

※OAG税理士法人では、弁護士法人、司法書士法人と提携して税務・法務対応をしており

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