《税制改正大綱 贈与税の非課税措置の見直し》
Q 今年の5月に孫が生まれる予定で、教育資金の贈与を検討しています。令和3年の税制改正で内容の見直しがあると聞きましたが、どのような内容でしょうか?
A令和3年度税制改正大綱において、教育資金贈与の非課税について、現行の制度から数点改正がありました。
現行の制度の詳細は過去の相談事例をご参照ください。
(http://www.sohzoku.jp/blog/20190719_01.html)
① 贈与者死亡時の未利用残高の取扱い
信託日から教育資金管理契約の終了の日までに贈与者が死亡した場合には、受贈者が次のいずれかの場合を除き、その死亡の日までの年数にかかわらず、贈与者死亡時の未利用残高が相続財産に加算されることになりました。(現行では、死亡前3年以内の贈与に係る未利用残高のみ相続財産に加算)
イ 23歳未満である場合
ロ 学校等に在学している場合
ハ 教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
② 相続税額の2割加算
贈与者死亡時の未利用残高について、子以外の直系卑属(孫など)に相続税が課税される場合、その残高に対応する相続税に2割加算が適用されることになりました。(現行では適用なし)
上記①、②の改正は令和3年4月1日以後の信託等により取得する信託受益権等について適用され、非課税制度は令和5年3月31日まで延長されます。
教育資金贈与と合わせて、結婚・子育て資金贈与についても改正がありました。
結婚・子育て資金贈与については、現行の制度で贈与者死亡時の未利用残高が相続財産に加算されることになっていますが、今回の改正で、教育資金贈与と同様に、子以外の直系卑属(孫など)に相続税が課税される場合、その未利用残高に対応する相続税に2割加算が適用されることになりました。
税制改正により、教育資金の贈与についても相続税の計算に影響する可能性がありますので、贈与を検討される場合は事前にOAG税理士法人までご相談ください。