《生前対策としての孫への贈与と注意すべき点》
Q.なぜ孫への贈与に相続税が課されるのでしょうか?
私は、生前対策として、孫に贈与税の基礎控除内の贈与をしていますが、死亡保険金の受取人を孫にすると、孫への贈与財産に相続税が課税されると聞きました。
なぜ、贈与財産に相続税が課税されるのでしょうか。また、今後贈与する際に、どのような点に注意すれば良いでしょうか。
A.持ち戻し対象に該当する贈与財産は相続税課税対象になります
一般的に、相続時には次の代の「子」が「親」から財産を相続することが多いので、相続人ではない「孫」に基礎控除内の贈与をすれば、渡した財産には贈与税も相続税も課税されず、相続直前でも実行できる有効な生前対策となります。
しかし、被相続人から生前(亡くなる前3年以内※)に贈与を受けた人が、その被相続人の相続財産を受け取ると、生前の贈与がたとえ基礎控除内の額であったとしても、相続した財産と合算して相続税を計算する必要があります。
たとえば、死亡保険金の受取人を孫にすると、孫が受け取った保険金は遺贈として取得した相続財産とみなされます(みなし遺贈)。
この場合、持ち戻し対象に該当する贈与財産は、死亡保険金額に上乗せされ、相続税の課税対象となり、孫は贈与財産に対しても相続税を納税することになります。
孫へ無税で財産を渡したいときは、相続時に財産を取得しないように注意する必要があります。
※持ち戻し期間については、令和9年以降段階的に延長され、令和13年以降は「7年以内」となります。
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