株の初心者必見!株式投資で利益をあげたときの税金は所得税と住民税

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今年、株式投資をはじめたばかりの初心者。
年末が近づくにつれて徐々に利益が見えてきた。今年は順調に利益が出そうだ。

ところで、株には「所得税」の支払いが必要だったはず。あれ?「所得税」だけの支払いでいいのかなぁ。

ここでは、株式投資の利益に対する「所得税」の考え方をお話します。
また、株式投資の結果が会社に通知されたり、扶養控除に影響があるかなどの疑問についても、なぜ通知すらされないのか。考え方を説明します。

1. 株式投資に必要な税金は「所得税」と「住民税」

株式投資で利益が出ると税金が発生します。一般的には、のちに説明する「特定口座(源泉徴収あり)」の口座を開設して株式投資をしていると思いますので、源泉徴収税率として「20.315%」の税金がかかります。「特定口座(源泉徴収あり)って何?」「違う口座を開設してしまった場合はどうしたらいいの?」という方は3章を確認してください。

1-1.所得税は15.315%、住民税は5%

株で利益が出た場合に支払う税金が源泉徴収税で、一般的には一律で税率「20.315%」となります。源泉徴収税率のうち、所得税が15.315%であり、住民税が5%になります。この税率は平成26年~平成49年末までと定められています。

図1:源泉徴収税は所得税と住民税で構成される

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(参考)
平成23年に東日本大震災からの復興支援のために、平成25年から平成49年までの25年間、復興支援特別所得税として、所得税額に2.1%が上乗せされることに決まりました。よって、15%×2.1%=0.315が加わり、所得税は15.315%になっています。

1-2.源泉徴収税(所得税+住民税)がお得になる特例はNISA

以前(平成21年~平成25年)は、株式投資に関する源泉徴収税率が半額の「10%(25年だけ10.147%)」という軽減税率があった時代もありました。
現在は通常の税率にもどりましたが、新たな制度として利益や配当に対して税金がかからないNISAの制度があります。120万円を上限とした枠が毎年与えられますので、長期投資や年間に120万円を上限とした投資をする方にはお勧めです。

1-3.給与所得とは別に納税する「分離課税」が一般的

給与所得や不動産経営の収入など定常的に入ってくる収入以外に、一時的に大きな収入があった場合にその金額を通常の所得とは別に税金を計算して納める方法を「分離課税」と言います。これは一時的な所得を通常の所得に加えた場合に、通常の所得に対して高い税率が適用されないようにするものです。

図2:給与所得とは別に納税する分離課税

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1-3-1.「源泉分離課税」とは、証券会社が税金を自動で引いて支払ってくれる制度

確定申告をおこなわず証券会社が自動で源泉徴収(税金を引いてくれる)をおこない、分離課税を利用する方法を「源泉分離課税」といいます。「特定口座(源泉徴収あり)」の場合に利用できます。

1-3-2.「申告分離課税」とは、自分で確定申告をして給与所得等とは別に自分で納税する制度

確定申告をおこなって分離課税を利用する方法を「申告分離課税」といいます。「特定口座(源泉なし)」「一般口座」の場合に利用できます。

1-4.配当金は給与所得と一緒に納税する「総合課税」も選択できる

給与所得や不動産経営の収入などの所得を合算した総所得金額に対して税金を計算して納める方法を総合課税と言います。株式投資の配当利益と給与所得を合わせて税金を計算して、支払いをしたい場合は総合課税を利用します。ただし、総合課税は株式投資の利益は合算できません。

1-4-1.総合課税の税率と総合課税のメリット

総合課税の場合の所得税率は所得に応じて5~40%、住民税は一律10%になります。総合課税の制度を活用するメリットとしては、給与所得と株の配当益を足して課税所得(扶養控除等がある方は差し引いた額)が695万円以下の場合は、総合課税の方が税率は低くなりお得です。課税所得が695万円以下の場合は、分離課税の一律20.315%より低くなります。

2.株式投資の「所得税」は給与所得と関係しない

1-3で説明したとおり、株式投資で得た利益は「分離課税」として扱い、給与所得とは一緒に考えないことが一般的です。よって、給与所得で支払う「所得税」と株式投資で支払う「所得税」とは別に考えていきます。そうすることで、会社に利益がばれたり、扶養から外れることはありません。

2-1.会社の人事には、株で1,000万円の利益がでてもばれません

上記のとおり、給与所得とは別にご自身で「分離課税」を利用して納税すれば、ばれません。「源泉徴収」をしてもらうか、ご自分で確定申告をして納税するかはどちらでも大丈夫です。ただし、ご自身で確定申告をする場合には、確定申告書類(第2表)の中で、「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」の欄で「自分で納付」を必ず選択してください。
会社にばれる場合は、総合課税にしたことで会社がご自身に支払った給与以上の税金の支払い請求を受けて確認をしたり、確定申告時に給与から住民税を支払う設定にして住民税の請求があがったときです。

ただし、株での利益は一般的に資産運用の範囲であり、副業と言われることはありません。
ばれるかどうかではなく、税率を気にしてどの制度を利用するかを決めて良いです。

2-2.株式投資で103万円以上を稼いでも扶養控除は外れません

こちらは少し特殊で、確定申告をせずに分離課税を利用して納税すれば問題ありません。つまり源泉徴収で納税をする場合には103万円を超えても問題はありません。しかし、確定申告をしてしまうと38万円以上の株の利益があると税金が発生します。

※株式投資の確定申告について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

3.株式投資をする際に納税が便利な口座開設方法

株式投資をする際に証券会社で口座を開設しますが、その際には次の3つから選びます。
「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」です。

3-1.特定口座と一般口座の違い

特定口座は、簡単に確定申告ができるように、証券会社が年間取引報告書など、書類を準備してくれる口座です。一般口座は、書類の作成から確定申告まで、すべて自分で対応する口座です。

3-2.特定口座(源泉徴収あり)の口座を開設しよう

最も一般的で人気な口座が「特定口座(源泉徴収あり)」であり、80%以上の方がこの口座です。
源泉徴収を自動でおこなってくれるため、便利な口座です。

3-2-1.特定口座(源泉徴収あり)のメリット

・税金を自動で支払ってくれる
・確定申告の必要が無い
・利益が出ても扶養から外れない

3-2-2.特定口座(源泉徴収あり)のデメリット

1ヶ所給与であれば「給与のほかに利益が20万円以下の場合」には税金の支払いが不要であり、自動で納められることもないため、小額投資をおこなう方や、長期投資で毎年利益確定額が小さい方に便利な口座です。
ただし、2ヶ所給与の場合には「主たる給与以外の給与に加えて20万円以下の場合」には税金の支払いが不要となることから、該当するケースが少ないと思います。

3-3.特定口座(源泉徴収なし)の口座について

利益が20万円以下であれば税金の支払いが不要であり、自動で納められることもないため、小額投資でおこなう方、長期投資で毎年利益確定額が小さい方に便利な口座です。

3-3-1. 特定口座(源泉徴収なし)のメリット

・20万円以下の利益の場合、確定申告が不要
・20万円以下の利益は無税のため、すでに徴収された税金を取り戻す手続きが不要

3-3-2. 特定口座(源泉徴収なし)のデメリット

・20万円を超えると都度税金を差し引かれないため、翌年3月の確定申告時に一度に支払うことになる
・20万円を超えると確定申告が必要
・確定申告時に気をつけないと、会社の給与から株の税金を払うことになる

3-4.一般口座について

現在は、特にメリットが無いと言われています。

3-5.口座の切り替えは、年初めに可能

株式投資を始めたばかりの方は、最初は大きな利益が見込めないから「特定口座(源泉徴収なし)」を選択します。慣れてきて20万円以上の利益が見込め始めたら「特定口座(源泉徴収あり)」に切り替えます。この流れが一般的だと思います。

この切り替えについては、一般的に次のとおりです。
・その年に、特定口座内で売却や配当などの受け入れをしていなかったら徴収区分の変更が可能
・Web上で証券会社のHPにログインして、「お取引口座」の項目の中の設定を変更

4.まとめ

株式投資を始めて利益が出ると気になるのが税金や確定申告です。
税金は利益のうちのどの程度を納税する必要があるかを気にしておきましょう。
また、意外に忘れがちなのは、取引手数料です。この点を加味しておきましょう。
 
しかし、特定口座(源泉徴収あり)の口座を開設しておけば、何も不安なことはありません!

所得税も住民税もすべて、証券会社の処理にゆだねてしまいましょう。
ただし、年間20万円以上の利益が見込めないうちは、特定口座(源泉徴収なし)を選択することも良いと思います。

一つ目のハードルを20万円の利益と定めて、20万円より少ない見込みであれば非課税ですので「源泉徴収なし」を選択し、20万円以上の見込みがあれば「源泉徴収あり」を選択してはいかがでしょうか。

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