ゆうちょ銀行の相続手続きは4ステップで完了!必要書類とポイントをご紹介
- 相続手続き
「亡くなられた方名義のゆうちょ銀行の通帳が見つかった。」
他の銀行と同じように手続きをすればよいのかというと、ゆうちょ銀行の相続手続きは、他の銀行とは少し方法が異なります。
銀行の手続きは、一般的に口座を開設している支店の窓口で処理されますが、ゆうちょ銀行の場合は窓口ではなく、「貯金事務センター」という場所で一括して処理を行っています。
各店舗の窓口では、書類を受け取るだけのためそれほど時間はかかりません。
本記事では、ゆうちょ銀行の相続の手続きを最短で終える方法をご説明していきます。
相続の手続きは、必要書類に不備があったり、記載方法を間違えると何度も窓口に足を運ぶことになってしまいます。
手間を減らし、スムーズな手続きをする参考に、ぜひこの記事を役立てていただければと思います。
目次
1.ゆうちょ銀行の相続手続きは「相続確認表」の提出から
ゆうちょ銀行の相続手続きは、相続確認表という書類を提出することから始まります。
相続確認表とは、亡くなられた方と相続人の方に関する情報、および亡くなられた方の貯金内容を記入する書類です。
相続確認表は、ゆうちょ銀行の窓口、またはゆうちょ銀行のホームページからダウンロードすることができます。
参考:ゆうちょ銀行のホームページ「各種ご請求用紙のダウンロード」
そのほか、相続確認表の代わりとしてインターネットでゆうちょ銀行の相続Web案内サービスを利用する方法があります。必要な情報を送信するだけで、相続確認表の提出は不要になります。ちなみにこの相続Web案内サービスは、亡くなられた方が投資信託の取引をされていた場合はご利用いただけません。また、このサービスは、あくまでも相続確認表の代わりとなるもので、インターネット上で相続手続きを完了させることはできませんのでご注意ください。
図1:手続きの始めは「相続確認表」もしくは「相続Web案内サービス」から
2.ゆうちょ銀行の相続手続きにおける3つのポイント
ゆうちょ銀行の相続手続きを行う前に、知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
2-1.手続きを行う代表者を決めておく
ゆうちょ銀行で相続手続きを行う代表者を1名決めておきましょう。ゆうちょ銀行からの書類を受け取ったり、必要書類を提出する役目を担います。代表者が必要書類を提出する際は、必ず本人確認書類の提示が求められます。運転免許証などの顔写真付の証明書類がない場合には、健康保険証と年金手帳など、2点持参することを忘れないようにしましょう。
また、代表者は最終的に解約された貯金(払戻金という)を、相続人を代表して受け取ります。その際にも、本人確認書類の提示と共に印鑑も必要です。
2-2.預金残高の確認方法
貯金等照会書という書類を提出すると亡くなられた方のゆうちょ銀行口座の残高証明書が発行されます。
照会を相続確認表の提出と同時にする場合は、名義人が亡くなられた事実と請求される方が相続人であることが確認できる書面の提示が求められます。残高証明が届くまでには、2週間程度かかります。
2-3.亡くなられた方の口座を引き継ぐ事も可能
亡くなられた方名義の口座を代表相続人の名義に書き換えることもできます。
亡くなられた方が定期貯金等をお持ちで利率がそのまま引き継げる場合は、名義変更をご検討されることもよいでしょう。
3.ゆうちょ銀行の相続手続き4ステップ
ゆうちょ銀行の相続手続きの4つのステップをご説明します。
Webサービスの活用ができれば、ゆうちょ銀行の窓口へ出向くことは必要書類の提出時だけで済みます。
図2:ゆうちょ銀行の相続手続き4つのステップ
3-1.ステップ1相続の申し出をする
ゆうちょ銀行に1章でご紹介した「相続確認表」の情報を提出することを「相続の申し出」といいます。ゆうちょ銀行の相続手続きを行っている貯金事務センターが相続の申し出を確認すると、口座は完全に凍結され入出金ができなくなります。
相続確認表では貯金の払い戻し方法を選び回答します。払い戻しの方法には3種類の方法があります。
<払い戻し方法>
方法①:相続人代表の方の通常貯金口座へ入金
方法②:完全に解約(払戻金は「金券の払戻証書」として相続人代表の方へ郵送される)
方法③:口座の名義書き換え
※ゆうちょ銀行の相続確認表について詳しくは、こちらを参考にしてください。(当サイト内)
3-2.ステップ2必要書類の案内に従い書類を揃える
相続確認表が受理されてから1~2週間程度すると、貯金事務センターより必要書類のご案内が封書で送られてきます。
記載されている必要書類の準備と共に、同封されている貯金等相続手続請求書の記入をします。この書面は、ゆうちょ銀行所定の相続届ですので、万が一書き損じてしまった場合はホームページから用紙をダウンロードすることができます。
表1:ゆうちょ銀行の相続手続きの必要書類
※ゆうちょ銀行の相続手続きで必要な書類について詳しくは、こちらをご覧ください。(当サイト内)
3-3.ステップ3必要書類をゆうちょ窓口へ提出
必要書類がそろったら、ゆうちょ銀行または郵便局の窓口へ提出します。提出は原則として郵送ではなく持参により受理されます。
必要書類の提出は、代表相続人の方が行います。受領書類と引き換えに預かり証が発行されますので、相続の手続きが完了するまで保管してください。もし代表相続人の方が持参できない場合には、書類の提出だけを委任することができます。案内に同封されている委任状をご利用ください。
必要書類を提出する際は、必ず運転免許証や健康保険証など本人確認書類を持参しましょう。
3-4.ステップ4払戻金を受け取り完了
必要書類を提出後、1~2週間程度で手続きが完了します。払戻金の受け取り方法は、相続確認表で回答した方法で行われます。
ゆうちょ銀行は、相続手続き上は他行への送金ができませんので、他行に入金したい場合は、払戻証書で一旦受け取り、ゆうちょ銀行の窓口で現金化したのち、ご自身で送金手続きを行います。
また、払い戻しが多額になる場合は、その場で換金できない場合もあるので予め確認をしておきましょう。
払戻証書から払戻金を受け取る際にも、本人確認書類の提示が必要です。
4.まとめ
ゆうちょ銀行の相続の手続きは「相続確認表」を提出することから始まります。
ゆうちょ銀行は貯金事務センターで処理をおこなうため、手続き完了までには約1ヶ月かかります。 あらかじめ遺産分割協議の内容を整えて、手続きを開始すると比較的スムーズです。必ず必要となる除籍謄本類も早めに準備をしておきましょう。
ゆうちょ銀行の場合、代表者を選ぶことが重要です。書類のやり取りから、相続人代表の方へ全額払い戻された預金を分割するために現金化するなどの役割を担います
。 ゆうちょ銀行の相続手続きに関する全体の流れがご理解いただけたのではないでしょうか。他行とは少し手続きの内容が異なりますので、この記事を参考にお手続きを進めていただけると幸いです。
サポートが必要な場合は、遺産整理業務の専門家にご相談、委任されることをおススメいたします。