実家が空き家になる前に考える固定資産税と5つの問題・対策【保存版】

  • 不動産

5月~6月は固定資産税の支払い時期。

ところで、実家の固定資産税っていくらなんだろうか・・・。

そんなことを考えていたら会社の同僚から
「田舎で一人暮らしをしていた母親が骨折をして、この先も介護が必要になってしまった。母親は兄弟の誰かが引き取って面倒をみるとしても、実家の近くには誰も住んでいない。実家を長期間空き家にしておくと大きなリスクがあるらしい。何かいい方法を知らないか」と相談をうけた。

このように突然やってくる「実家が空き家になる事実」。ここには、大きなリスクが潜んでいます。
ご両親が元気でも空き家リスクは遠い話ではないかもしれません。

リスクを知ったうえで、早めにご両親と一緒に「将来の実家のあり方」をご相談しておくことをオススメします。

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目次

1.実家が突然空き家になってしまう2つのケース

実家にはご両親が住んでおり、まだまだ元気だから何の心配も無い。と思っていると、突然として実家が空き家となってしまい大きなリスクを抱えることがあります。これは大きくは2つのケースがあります。
・ご両親がご健在であるが空き家になってしまうケース
・ご両親がお亡くなりになったことで空き家になってしまうケース

1-1.ご両親がご健在なのに突然空き家になってしまうケース

ご両親がご健在の場合には、実家にご両親(特にお一人)だけでお住まいであっても、いつまでも元気でいることしか想像できないため、いざという時の準備が不足しがちです。

また、何かあってもゆっくり考えれば・・・。と思いますが、意外にも病気やけがにより自分で生活ができない生活に陥るケースは多いです。そして、多くの場合はその後も高いリスクが継続するためゆっくり考える時間取れないものです。

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1-1-1.突然、要介護状態や要支援状態になる4つの理由

次のような事由が発生すると突然として要介護状態や要支援状態となり、ご両親だけで実家に住み続けることが困難になります。
そうなるとお子さんの誰かが実家に転居して面倒をみるか、実家を空き家としてご自宅へ引き取るまたは老人ホームなどの施設に入居してもらうケースが多くなります。これらは突然として訪れるため、今から空き家の対策が必要となります。

要介護・要支援が必要となった理由の上位   ※厚生労働省 国民生活基礎調査(令和元年)
  ・脳血管疾患(脳卒中)
  ・認知症
  ・高齢による衰弱
  ・骨折・転倒

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1-1-2.ご両親のどちらかが亡くなられたら“任意後見人”を検討しよう

ご両親が夫婦仲良く暮らしていて、突然にどちらかが亡くなられると気持ちが抜けてしまい認知症になってしまうケースも多く見られます。
認知症になってしまうとご家族が実家を売却するなどの手続きが法的に難しくなるため、判断能力が十分なうちにご家族のどなたかを“任意後見人”として契約を結んでおくと、いざというときに手続きができます。
任意後見人は公正証書で作成したり、認知症となったあとに家庭裁判所へ申し立てが必要だったり手間がかかります。
任意後見人を検討する場合には司法書士等の専門家に相談しましょう。

任意後見について詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)

1-2.ご両親が亡くなられたことで空き家になるケース 

ご健在である間に1-1の事由など介護状態になることが無く、急にお亡くなりになることもあります。例えば、浴室での事故や交通事故、脳出血や心疾患による突然死が考えられます。

ご両親が亡くなられた場合には、遺産相続が発生し家族で遺産分割をどのようにするか話し合いをします。この話し合いや相続の手続きには時間を要することからその期間に空き家となることが多くなります。遺産分割で揉める家族も多く、すぐに決着がつかず結論が出るまで長期化する恐れがあります。

もし揉めて裁判となると、財産が実家と預金のみの場合でも2~3年程度の時間は要する場合もあります。

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2.実家が空き家になる前に決めておきたい3つのこと

ご両親がお元気なうちに家族会議を開いて、今後想定されるケースに対して対策を立てておくことが最善の方法です。また、実家が空き家となった場合には思いもよらない多くのリスクを含みます。そのリスクについては3章以降でご確認をいただき、これらのリスクをふまえて決めておきましょう。

下記の表1は「実家が空き家になる前に決める方針シート」です。これを作成することをゴールイメージとしてもっていただき、そのあとの内容を読み進めてください。

1:実家が空き家になる前に決める方針シート(ケースごとに方針にをつける)

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【進め方】

1. まずは表1と表2の項目を確認する
2. 次に3章を読んで、リスクをチェックする
3. 表2を作成する
※実家を空き家にする場合の管理者や毎月の手入れをする担当などを決めるとともに、維持費用・資産価値についてもおおよその見当をつける
4. 表1を作成する。
※表2の内容を加味して、実家にご両親だけで住むことができなくなった場合に、どうして行くかの方針を決めて優先順位をつけておく
※4章・5章を確認して、メリット・デメリットを知った上で方針を決める
5. 不動産・相続税など資産について困ったら、税理士に相談する
※不動産の場合、不動産屋さんに直接相談すると営業が頻繁になることがある
※税理士は不動産だけでなく、全ての財産や税金を基にアドバイスをしてくれる

表2:実家の空き家になることを考える前の事前チェック

※相続財産の把握につきましてはこちらをご覧ください。(当サイト内)

※相続税の計算につきましてはこちらをご覧ください。(当サイト内)

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3.空き家に潜むリスクは固定資産税以外にもたくさんある

空き家のリスクは毎年の固定資産税の支払いだけではありません。実はそれ以外の要因のほうが大きくなります。ここでは、大きく分けて5つのリスクを確認しましょう。

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3-1.空き家リスク①:実家の老朽化は1ヶ月で始まる

「人が住んでいないと家が一気に傷む」という話を聞いたことがあると思いますが、家が傷む2つの理由をご紹介します。
家は1ヶ月放置しただけで老朽化のリスクが現実のものとなってしまいます。そうならないようにするためには、人の手で手間を掛けて防ぐしか方法がありません。ご自身を含む身内でおこなうのか、お金を払って業者に委託するのか。など、老朽化しないために何を誰がおこなうのか判断していきましょう。

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3-1-1.下水のにおい・ねずみなどの侵入を防いでいる水が蒸発してしまう

洗面台の下など、排水する設備にはたいていの場合に排水トラップ(S字)があり、目にされたことがあると思います。
なぜこんな作りになっているの?と疑問に思われる方もすると思いますが、このS字部分には常時水がたまっています。これは、下水のにおいが自宅に入ってこないように防いでいたり、下水管を通ってねずみ等の動物が自宅内に入って来ないように防ぐ役割があるからです。
この排水トラップに溜まっている水は、放置していると約1ヶ月で蒸発してしまうと言われていますので、1ヶ月の間に水を追加してあげないと(通水)、下水のにおいが自宅内に充満したり、ねずみが住み着いて大変なことになってしまいます。

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3-1-2.締め切った部屋は高温多湿でカビとシロアリが繁殖する

最近の家は隙間風が入らないような設計になっていますので、通常の生活をしている際には良いのですが、締め切ったままだと多湿になりやすいものです。多湿になるとカビなどの菌が繁殖し、特に木材住宅等は柱などの木材を侵食していきます。また、シロアリが発生したり、虫がいるとそれらも問題ですが、さらにクモやねずみが住み着いたりするようになり悪循環が発生してし、どんどんと実家が蝕まれていきます。

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3-2.空き家リスク②:思いもよらない近隣への悪影響がある

空き家は住んでいない間に台風や雨・風など自然の影響だけでも、外観が痛み建築材(壁や屋根の瓦)などが近隣へ飛んでいき近隣住宅を傷つけたり、通行人にケガをさせてしまう恐れがあります。
空き家問題は自分たちの問題だけだと思いがちですが、近隣にも大きな迷惑を掛けることになります。また、取り壊しをするときに思わぬトラブルが発生する可能性がありますので、日ごろから手入れをしましょう。

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3-2-1.老朽化して台風や風で建築材が飛んでいく

老朽化したところを修復しないと、台風や風で壁の一部や屋根の瓦などが飛んでいき、近隣住宅を傷つけたり通行人に当たってしまいケガをさせてしまうケースもあります。また、柱が蝕まれて弱くなっていると大型の台風が来ると家が倒壊する可能性もあるためとても危険です。

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3-2-2.植栽や雑草により景観の悪化する

庭などの手入れができていないと植栽や雑草が伸びて、景観を悪くさせます。植栽の手入れにおいてはお隣さんの土地に木の枝などが入り込み苦情となる可能性があったり、雑草が生い茂ることで景観を損ねたり害虫の発生原因となりなり、近隣トラブルを避けられなくなります。

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3-2-3.害虫やねずみなどの住処になると壊す際に近隣へ大きな影響が

空き家が害虫等に蝕まれることがトラブルにつながることはお分かりいただけたと思いますが、住みついた害虫やねずみは空き家を壊す際に近隣の住宅に移動します。つまり、空き家を壊したことで、近隣の住宅が蝕まれたり、地域中にねずみが広がって生息したりするなど、多大な迷惑を掛けることになります。老朽化した自宅を壊す際に近隣住民に害虫対策の依頼をしてからでないと壊せないこともあり、とても大掛かりで思わぬ出費を生みます。

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3-3.空き家リスク③:実家で犯罪が起こることを防ぐ

ポストに郵便物やチラシが大量にたまっていたり、外壁の壊れが修復されなかったり、庭の手入れがされていない場合など空き家であることが分かる原因がいくつかあります。空き家だと分かることに加えて、人の出入りが無いことが分かると放火や、不法侵入、不法投棄など犯罪や治安悪化を生む原因となりますので、注意が必要です。

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3-3-1.治安の悪化による放火や不審者の侵入

空き家に放火する放火魔のニュースは良く耳にします。空き家であった実家のボヤで済めば被害最小限となりますがそれでも近隣の住民に不安を与えますし、大きな火事になってしまうと近隣の住宅に火が移り何件もの住宅を巻き込んでしまう可能性もあります。また、未成年のたまり場となったり不審者が勝手に家の中で過ごすなど、治安の悪化を招くことにもなります。その他、動物のたまり場になることもあり、取り壊すとこの動物たちが地域を徘徊することから別の問題も発生してしまいます。

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3-3-2.不法投棄問題が発生する

空き家に庭があり草木が生い茂っているときなどは特に空き家かつ人が出入りしていない可能性が高いことから、ゴミや家電製品など不法投棄をされる可能性があがります。害虫が発生する原因につながったり、不法投棄されたごみの処分に高額な費用が発生することもあります。

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3-4.空き家リスク④:老朽化すると売れなくなる

空き家になる直前まで人が住んでいた場合には、家屋が多少古くても趣があったり、賃貸の値段次第では実家をそのままの形で誰かに貸したり、売却することもできます。しかし、放置して老朽化が進んでしまうと高額な費用を支払ってリフォームしたり、取り壊し料を支払って家を取り壊して更地にしてからでないと売却できないなど、問題が発生します。老朽化してしまい手がつけられなくなると、さらに何もせず空き家を継続させてしまい、高いリスクが継続してしまいますので、早めの判断が必要です。

また、売却に限っては、ご両親が認知症になってしまうとご本人が意思決定できなくなることから、意思の尊重できなくなるため、亡くなられて相続手続きに入るまで財産を売却する手続きができなくなります。ご両親が元気なうちに決めた内容であっても認知症になってしまうと実行できませんので、管理費がかさむことになります。どのように進めるべきかについては、司法書士など認知症の対応ができる専門家に相談し、”成年後見人”の選任をしましょう。

※成年後見について詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)

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3-5.空き家リスク⑤:最低限の支払い費用でも負担増

ご自身がご自宅を所有されているのであれば、ご自身の固定資産税の支払いだけでも大変だと思います。そこにご実家の固定資産税や、光熱費の基本料の支払い、火災保険・地震保険などの各種保険料などが加わると出費がかなり増えます。

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3-5-1.固定資産税や光熱費の基本料を支払う理由

固定資産税については、不動産を所有している方は全員が支払う税金ですので請求に応じて支払いが必要となります。
1年分を前納できる自治体や年4回に分けて支払う方法のみの自治体がありますが、ご両親の貯蓄から支払っても良いのですが、住んでいなくても支払いが発生します。また、リスク①で説明したとおり、排水トラップに水がたまっていないとにおいなど問題が起きますので、光熱費の基本料を支払い、管理に行った際には水道を利用したりします。

3-5-2.火災保険・地震保険を支払う理由

リスク③で説明したとおり、空き家は放火の対象となる場合があり、その際に近隣にまで影響する可能性があります。実家だけでなく、周辺に影響した場合のことも加味して火災保険を選びましょう。また、劣化した家は地震に弱いためあわせて地震保険に加入し、倒壊した場合に備えましょう。

4.空き家を空き家のままにしてしまう理由

日本では空き家の数が毎年増えているというニュースを見たことがある方も多いと思いますが、なぜ空き家のまま放置している方が多いのでしょうか。家の老朽化が進んでいたり植栽や雑草の手入れなどができていなければなかなか買い手がつかないため売ることもできませんし、貸すこともできなくなります。それでも、取り壊さずに実家を空き家のままにしておく3つの理由があります。

4-1.固定資産税の軽減処置は空き家があると大幅減になる

固定資産税は更地である場合に比べて、建物が建っている場合には固定資産税の「住宅用地の特例措置」として大きな減額の処置があります。

具体的には固定資産税が200㎡まで6分の1、200㎡を超える部分に対しては3分の1に軽減されます。この処置は建物であれば代わりが無いため、老朽化してもそのままにしておくことで減税となります。

ただし、2015年から「空き家対策特別措置法」が施行されました。
老朽化した空き家に行政指導が入るとともに、改善されなかった場合には固定資産税の「住宅用地の特例措置」の対象外となることになりました。そのため、空き家はしっかり維持管理しないといけなくなりました。
「空き家は放置しておいた方がおトク」という時代から、「空き家のリスクを軽減する対策を打たなければならない」という時代にシフトしたとも言えます。

4-2.空き家の撤去費用の負担は重いうえにメリットが薄い

撤去にかかる費用は、広さや地域、建物の構造などによって変わりますが、おおよそ100~200万円程度と言われています。
立地が良ければ住宅を撤去して、すぐに土地を売却することで撤去費用を加味しても十分な利益を得ることができますが、そうでなければ解体費用を支払ったうえに固定資産税も高くなります。撤去費用の負担と固定資産税が高くなることを考えると、特段ご自身にとってのメリットが無いためそのままになってしまいがちです。

4-3.思い出の実家だから残したい、いつか実家に戻ることがあるという気持ち

思い出がいっぱい詰まった実家を取り壊したり、他人に売却すると思い出が消えてしまいそうで、いつまでも残しておきたいという気持ちが強くなります。家族のうち誰かが住むのであれば相続においても「小規模宅地の特例」による税額の大幅軽減処置もありますしメリットはありますが、当面住む予定が無い場合は、
管理のリスクや税金だけがかかり、結局は早く売却しておけばよかった、となるケースが多くなります。

5. 実家の空き家の運営方針はどのような基準で考えるか

実家が空き家となってしまう場合には、放置をしておくとリスクが発生することから、維持管理をするまたは資産の有効活用として誰かに貸す、売却することのいずれかを選ぶ必要があります。維持管理をすることは実家を売らずに済みますが、長い目で見て誰か身内が住むまたは賃貸に出すことを考えていないのであればコストや時間の無駄になりかねません。

将来誰か住む予定、賃貸に出す予定のいずれか以外を選択する場合には、早めに売却することをオススメします。売却は不動産会社に依頼することも良いのですが、相続税・贈与税・譲渡税などの税金とからめて最善の方法を検討した方が良いことから、税理士に頼むこともオススメです。

5-1.家族が維持管理をしていく場合に大切にすること

ご自身で管理される場合には、最低でも月に1度は空き家となった実家に足を運び、家の中は通水をして排水トラップに水をためたり、換気や掃除をします。家の外では郵便ポストの中身をすべて取り出して、劣化があれば修復したり、植栽や雑草の管理をすると丸1日かがりの作業となります。

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5-2.管理会社に委託する場合に大切にすること

どの範囲まで委託するかにもよりますが、治安のチェックや郵便ポストのチェック、家の中に入って掃除をしたり通水をしてもらうと月額で7,000円~10,000円の費用が発生します。外部巡回チェックを依頼した場合には5,000円程度で済みますが、実家の中や植栽・雑草の対応はご自身で対応することになります。
外部巡回チェックだけの管理は、リスクに書いた通り自宅の中が傷んでいきますので、委託するのであれば内部まで依頼しましょう。

 

5-3.誰かに貸す場合に大切にすること

実家はどうしても売りたくない。という場合や、資産価値があるので有効活用したいなどの場合には、賃貸物件として誰かに貸し出すことをオススメします。実家はご自身たちではなく第三者が住んでいても傷むことはありません。将来の取り壊し費用も、固定資産税もまかなうことができますので、一定期間の契約であっても賃貸に出すことを考えてはいかがでしょうか。

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5-4.売却する場合に大切にすること

買い手がついて売却ができる場所であるならば、売却してしまうこともオススメです。家の状態によっては、壊すことなくそのまま売却することもできます。実家が誰かの手に渡ってしまったり、無くなってしまうことは悲しい一面もありますが、もし老人ホームに入居したり、身内の家に同居する際にリフォームをしたりする場合には売却した資金が利用できます。また相続を考えても現金にすることで皆が平等に財産を分けることができるため「争続」を避けることができます。

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5-4-1.市街地など比較的買い手がつく場合の対処法

都市部や市街地など、買い手にとって便利な土地であれば、根も付きますし売りに出せば買い手がつきます。売る場合の価格は、毎年7月に発表される路線価を基準としておおよその金額を出します。路線価の125%が公示地価となり、売買の適正価格に使い値となります。

※路線価について詳しくはこちらをご覧ください。(当サイト内)

5-4-2.田舎の土地など買い手がつかない場合の対処法

ご実家が田舎である場合に、実家の近くの不動産屋さんに相談しても、売る相手が見つからないことや、そもそも扱ってくれないなど、コストばかりがかかってどうしたら良いかわからない場合があります。
そんなときには、役場などに相談して買い取ってもらったり、寄附すれば受け取ってもらうこともできます。維持してもコストばかりのため、早く対応することをオススメします。

6.まとめ

実家は思いもよらない理由で空き家になる可能性があります。

そして、実家が空き家になると、最低でも1ヶ月に1度の手入れをしないといろいろなリスクに巻き込まれてしまいます。

 空き家リスク①:実家の老朽化は1ヶ月で始まる
 空き家リスク②:思いもよらない近隣への悪影響がある
 空き家リスク③:実家で犯罪が起こることを防ぐ
 空き家リスク④:老朽化すると売れなくなる
 空き家リスク⑤:最低限の支払い費用でも負担増

実家が空き家になってから考えても遅くないような気もしますが、ご両親の意思を尊重したり、ご自身やご兄弟の意思を尊重するとなかなか話はまとまりません。だからといって放置をしておくと、さらにリスクに巻き込まれます。

こんな場合の相談先としては、賃貸などの有効活用や売却後のお金を財産の1つとして将来的な相続・贈与をお考えいただくことが最善となるため、税金を最大限におさえて効果的に運用をアドバイスしてくれる相続に詳しい税理士にご相談されることをオススメします。

実家は突然空き家になる可能性を秘めていましたよね。
早いうちに対応を家族で話し合って決めておきましょう。

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