固定資産税をカード払いにした場合の3つのメリットと6つの注意点

  • 不動産

「固定資産税の納税通知書が送られてきた・・・最近は固定資産税もカード払いにできるらしいが、
どうすればよいのだろう?税金の納付でも、カードのポイントが付くのだろうか?」

固定資産税をカード払いすることができる市区町村が増えてきています。
今までは、口座振替にしていた方も、まとまった金額となる税金をカード払いにできるならば、
支払方法を変更したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事は、カード払いをする方法と、メリットや注意点をポイントを絞って説明していますので参考にして頂ければと思います。

1.固定資産税はカード払い(クレジットカード決済)できる

「今はちょっと手持ちのお金がない」といった時でも利用できる便利なクレジットカードで、固定資産税などの市税(都税)を支払うことができる自治体(市区町村)が増えています。とはいえ、まだ対応できていない自治体も数多くありますので、利用される前に、カード払いが可能かどうかを確認されることをお勧めいたします。

カード払いの対応有無については、Yahoo!、Googleなどの検索エンジンから、簡単に調べることができます。

対応している自治体では「クレジットカード納付専用サイト」、もしくは「Yahoo!公金支払サイト」などの外部リンクから、支払い手続きを進めていきます。

図1:カード払いが可能かどうかを確認する方法

2.固定資産税をカード払いする方法

固定資産税は、パソコンやスマートフォン、またはタブレット端末からインターネットを利用して、
クレジットカード決済により納付することができます。

手続きを進める上で必要なものは、固定資産税の納付書(納付番号及び確認番号が印字されているもの)とクレジットカードです。

窓口(自治体の納税窓口や、金融機関、コンビニエンスストアなど)に出向く必要はなく、
24時間いつでもどこでも、インターネットの環境が整っていれば、納付手続きをすることができます
VISA、JCB、マスター、アメックス、ダイナースクラブなど、国内で発行されている大半のクレジットカードが利用できます

ちなみに金融機関の窓口や、コンビニエンスストアでは、固定資産税をカード払いにすることはできませんのでご注意ください。

図2:固定資産税をクレジットカード納付する

2-1.各自治体の「クレジットカード納付専用サイト」から支払う

該当の自治体に「納付専用サイト」がある場合には、そちらのサイトから支払います。
東京23区内の場合は、「都税クレジットカードお支払サイト」からのお手続きが可能です。

参照:都税クレジットカードお支払サイト

2-2.「Yahoo!公金支払サイト」から支払う

下記の市町村の場合、ヤフー株式会社が運営をしている支払いサイトから、納付の手続きをすることができます。

参照:Yahoo!公金支払いサイト

図3:Yahoo!公金支払いサイトで対応している市町村を持つ都道府県の一覧(2021.6月現在)

3.固定資産税をカード払いにする3つのメリット

カード払いは、インターネットの環境が整えば、場所や時間に縛られることなく手軽に納付手続きができることが最大のメリットです。

金融機関からの自動引き落としで納付する場合も、口座振替手続きをしておけば、その後は自動的に手続きが完了し、しかも自動継続のため、うっかり支払い忘れてしまうことを防げる便利な方法ですが、カード払いにはカード払い特有のメリットが3つあります。

【カード払い特有の3つのメリット】
①クレジットカードのポイントやマイルが貯まる
②クレジットカードの引き落とし日まで無利息で支払いが延長できる
③分割払いができる

3-1.ポイントが貯まる

カード払いの1番のメリットは、「ポイントを貯めることができる」点です。

貯めたポイントを使って、買い物をすることができるという特典は、魅力的ですね。
但し、納付額に応じたカード払いの決済手数料がかかってしまいますので(4-1で詳しく説明)、
付与されるポイントよりも決済手数料の方が高かった!ということにならないよう、注意が必要です。

3-2.引き落とし日まで支払いを延長できる

固定資産税は、納付額が比較的高額なため、場合によっては金銭的な負担が重くなる可能性があります。
しかし、カード払いを利用すれば、実際の引き落とし日まで、無利息で支払いを猶予することができます。

一般的に、カード払いは、ご指定の口座から引き落とされる決済日は翌月となることが多く、
固定資産税の納付期限日にお金を支払う余裕がなくても、決済日までにご準備いただければ「滞納」にはなりません

カード払いによる納付日の取り扱いは、地方自治法により、指定代理納付者(カード会社)が支払いを立て替えて、手続きが完了した日が納付日と見なされることになっています。

3-3.分割払いができる

カード払いを利用する場合、通常のカード利用と同じく、支払い回数を選ぶことができます。
東京23区内では一括払い、分割払い(3回・5回・6回・10回・12回)、またはリボ払いを選択することが可能です。
計画的な支払いを実行することができ、家計の管理に役立てることができます。

4.固定資産税をカード払いにする際の6つの注意点

カード払いにする際の一番の注意点は、決済手数料が発生することです。
メリットであるポイント付与の還元割合と決済手数料を比べ、損する事にならないかを見極めて利用のご判断をして頂ければと思います。

注意点は全部で6つあります。以下より詳しく内容を確認していきましょう。

【カード払いの6つの注意点】
①決済手数料がかかる
②継続払いではないので納付の都度手続きが必要
③納税証明書がすぐに発行されない
④領収証書が発行されない
⑤各自治体の定めた支払い上限額までしか支払えない
⑥口座振替を利用している場合は事前に停止手続きが必要

4-1.決済手数料がかかる

カード払いでは、税額のほかに、お支払い1件ごとに決済手数料がかかります。

自治体によって、決済手数料の金額は異なりますが、おおむね10,000円の納付金額に対して80円くらい(消費税込)です。
約0.8%の決済手数料がかかるという事です。

たとえばご自身が100円で1ポイント付与されるクレジットカードをお持ちの場合、ポイント還元率は1.0%なので、たとえ決済手数料がかかっても、クレジットカードで固定資産税を納付した方がお得といえます。逆に、ポイント還元率が0.8%より少ない場合には損をしてしまうことになります。

決済手数料を簡単に試算できるシミュレーターが支払いサイトに備わっているので、納付税額に対する決済手数料を事前に確認されるとよいでしょう。

図4:東京23区内は税額10,000円ごとに80円(消費税込)の決済手数料がかかる(2021年6月現在)

4-2.継続払いにはできない!納付のたびに手続きが必要

現金で納付する場合と同様で、カード払いは納付のたびに支払い手続きをおこなわなければなりません。
金融機関の口座振替のように、一度手続きをしておけば、ずっと自動的に支払われるわけではありません。

納付忘れが心配、もしくは毎回手続きをしなければならないことを面倒に感じる場合は、金融機関の口座振替を選択する方が良いかもしれません。

4-3.納税証明書の発行に時間がかかる

各自治体の納税証明書が発行されるまでには、手続き完了から10日間ほどの時間を要します。
すぐに納税証明書が必要な場合にはカード払いではなく、金融機関などの窓口、もしくはコンビニエンスストアで納付することをお勧めいたします。
納税証明書が必要な場合は、あらかじめ証明書の発行可能日を確認しておくとよいでしょう。

4-4.領収証書が発行されない

カード払いの場合、領収証書が発行されません
納付内容は、クレジットカード会社から発行される利用明細が領収証書の代わりとなります。
領収証書が必要な場合は、金融機関などの窓口や、コンビニエンスストアで納付しましょう。

4-5.各自治体で定める「支払上限額まで」しか払えない

事前に、専用の支払いサイトにおいて、クレジットカード払いにおける納税限度額を確認しておきましょう。たとえば、東京23区の場合は、クレジットカード払いで対応できる納税限度額は、100万円未満となります。

4-6.口座振替を利用している場合は「先に停止手続き」が必要

口座振替の申し込みをしていた場合、毎年自動継続されます。
また、口座振替を利用していると納付書が送付されないため、クレジットカード払いをすることができません

自治体に対して先に口座振替停止手続きを行い、納付書を送付してもらった後にカード払いに切り替える、という流れになります。

図5:口座振替を停止してカード払いができる納付書を送付してもらう

5.電子マネーで支払えば「手数料はかからない」

決済手数料をかけずに、カード払いする方法として、電子マネーを活用する方法があります。
クレジットカードから電子マネー(nanacoカード、T-POINTカード、WAONカード)にチャージをおこない、固定資産税を支払えば決済手数料は不要です。
また、電子マネーへクレジットチャージするごとで、ポイントが貯まる電子マナーカードもあり、よりお得です。

但し、注意しなければならないのは、電子マネーカードの支払い上限金額があるということです。
(nanacoカード、WAONカードは5万円 、T-POINTカードは10万円)
そのほか、電子マネーへクレジットカードからチャージしてポイントが付くカードが限られていること、さらに30万円を超える固定資産税はコンビニエンスストアでは支払うことができないことなどがデメリットです。

表1:各納付方法に関する比較表

※固定資産税の支払い方法について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。(当サイト内)

6.まとめ

固定資産税をカード払いすることにより「ポイントが貯まる」「分割払いを選べる」など、カード払いにはメリットがある一方で、「決済手数料が発生する」「納付のたびに手続きをしなくてはならない」、などのデメリットといえる注意点があります。

ご自身がカード払いを選択した場合、決済手数料がどれくらいになるのかをシミュレーションし、ポイント還元率と比較して、どちらがお得となるのかを見極める必要がありますね。ご自身にとって、便利でお得な支払方法を一度検討されてみてはいかかでしょうか。

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