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ぬり絵を塗ることと事業承継とは、とても似ているように思うのです。
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ぬり絵

<2015年8月号>
 
     
 

 皆さん、「ぬり絵」を子供の頃に描いたことはおありでしょうか。ぬり絵を塗ることと事業承継とは、とても似ているように思うのです。

 まず、承継の前に事業を興すことは、白いキャンパスに絵を描くことに似ています。何の絵をどの様に描くのか、自由に選んで描きます。例えば、馬を描きたいのなら馬、牛を描きたいのなら牛、キリンもライオンも何でも選んで描く事ができます。白いキャンパスに自由に絵を描く、そしてそれが売り物になるということが、事業を興すことと同じなのだと思います。

 馬の絵だとすれば、大きさはどれほどにするのか、止まっているのか、走っているのか、正面から描くのか、横から描くのか、毛の色は何色にするのか、様々な馬があります。そして完成した絵が、現在の会社の姿(現状)を現したものなのです。

 絵は一度描けば消えませんが、事業は毎日描き続けなければなりません。企業の継続性とは、毎日絵を描き続けることです。

 さて、創業者は馬でも牛でもキリンでも自分で絵が選べましたが、後継者は自分で絵を選べません。それ以前に、そもそも後継者は絵を描くのが得意なのかという問題もあります。でも、描かなくてはいけないんです。

 馬の絵を描いたつもりが、牛になっていたり、それどころか、絵になっていないかもしれません。そこで、「ぬり絵」の出番です。

 ぬり絵は、最初から枠が描いてありますよね。事業をぬり絵の枠のようにしておいて、そこに後継者は色を塗るんです。でも、簡単なように思えても、絵筆を持つのは初めてです。難しいですよ。

 例えば、普通の絵は一人で描きますが、事業という絵は多くの人を使って描かなければなりません。そして、すべての人を自分の筆のように、自由に動かすことも難しい。事業の場合、ぬり絵と言えども、決して簡単ではないんです。むしろ自由にキャンパスに描く方が、易しいかもしれません。

 事業承継の場合、事業という箱(ぬり絵の枠)は決まっています。大勢で塗るとはみ出したり、枠とは違う場所に塗ってしまったり、それこそ多くの失敗をすることでしょう。それでも、怒ってはいけません。怒ると、はみ出すのを恐れて、枠の内側にしか色を塗らなくなってしまうからです。その結果、どんどん馬が小さくなってしまいます。失敗を重ねるうちに立派な絵描きになるし、次には牛=創業者とは違う道に自らチャレンジするかもしれないんです。

 事業承継は、創業よりも難しいというのが私の結論です。時間を掛けて、失敗を見守り続けるしか方法はありません。

 
 

 

OAG税理士法人 代表社員 税理士 太田 孝昭 著

※広報誌「春夏秋冬」掲載

 
 


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